About
Q-BReDとは
ご挨拶
量子と言われると、難しい学問分野であり、その応用例が想像しにくいと感じる方が多いかと思います。しかし、私たちの実生活に深く浸透している蛍光、半導体素子、医療機器(MRIなど)の既存技術(量子1.0)は、すべて量子の理論に基づきます。量子コンピュータ、量子暗号通信、量子センサーなどの新技術(量子2.0)は、量子の新しい概念に基づき量子特有の性質を最大限に活用したものであり、今後の社会を革新することが期待されます。一方、実用化までにはかなりの時間がかかることが懸念されています。私たちは、量子1.0と量子2.0の隔たりを埋めることで量子技術の利活用が加速すると考え、その際に「化学の観点」が有用であると考えました。量子の名のもとに、学部や研究領域の垣根を超えて両大学の研究者が集結して、化学・電子材料、電子機器、医療診断・治療など様々な分野での量子技術の社会実装を目指します。
-
拠点長
名古屋大学 未来社会創造機構
量子化学イノベーション研究所長清中 茂樹
-
副拠点長
岐阜大学 医学部附属量子医学
イノベーションリサーチセンター長松尾 政之
概要
我が国の量子を取り巻く社会状況として、現在「第2次量子革命(量子2.0)」が進行中といわれています。この新たな動きは、コンピュータ、通信、暗号、センサー技術などを革新すると期待されており、米国や欧州、中国を中心にその覇権争いが激しさを増しています。我が国においても、国家戦略のひとつとして量子技術の社会経済システムへの利活用が勢力的に進められており、世界と競争する体制の整備が進められています。具体的には、「量子技術イノベーション戦略」(2020年1月)、「量子未来社会ビジョン」(2022年4月)、「量子未来産業創出戦略」(2023年4月)「量子産業の創出・発展に向けた推進方策」(2024年4月)が策定されました。その中で組織として2021年2月に「量子技術イノベーション拠点」が発足し、国内の量子技術研究拠点の整備が進められてきました。このような状況下、東海国立大学機構は、第11番目の量子技術イノベーション拠点「量子化学産業創出拠点」として、2023年5月に認定されました。「化学」を中心に扱う国内唯一の量子拠点であるとともに、「量子技術の産業応用」を担う拠点でもあります。
こうした内閣府の拠点認定に伴い、名古屋大学の強みのひとつである「化学」の観点による量子技術の社会実装を目指す「量子化学イノベーション研究所」を名古屋大学 未来社会創造機構に設置しました。また、岐阜大学 医学部には、最新の量子技術を用いた次世代医療診断を推進する「附属量子医学イノベーションリサーチセンター」を設置しました。さらに、両大学の強みを活かした連携によるシナジー効果を生み出すべく、東海国立大学機構の連携拠点支援事業の1つとして「量子フロンティア産業創出拠点(Q-BReD)」が2024年4月に設置されました。 Q-BReDでは、原子・分子レベルで量子状態を制御して医療および産業への利活用を促進する産業創出拠点を形成し、日本の産業界を牽引する企業の集中する東海圏において量子研究の産業応用を加速させるとともに、新たな研究展開や新産業創出を図ります。
組織
Q-BReDの組織としては、名古屋大学 未来社会創造機構に「量子化学イノベーション研究所」を、岐阜大学 医学部に「附属量子医学イノベーションリサーチセンター」をそれぞれ設置し、連携拠点化することにより形成されています。また、名古屋大学 未来社会創造機構には名古屋市からの寄附金により「名古屋市量子産業創出寄附研究部門」が、さらに岐阜大学大学院医学研究科には大垣市民病院からの寄附によって「放射線量子医学研究講座」がそれぞれ設置されており、これらが連携協力を図ることによって、量子技術の社会実装を目指しています。

部門構成
Q-BReDは、3つの研究部門および統括部門から構成されます。